アクアリウムを始めたい!と思ったら、これだけは知っておきたい知識!準備編
2016/07/30
始めるにあたり、まずどんなアクアリウムを作りたいかイメージをする必要があります。
そして、そのイメージに合わせて水槽、フィルタ、魚などを選択していきます。
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魚を入れるまでの流れ
以下のような流れでアクアリウムを作ります。
- アクアリウムのイメージを決める
- イメージしたアクアリウムに必要な機材を購入・用意する。
- 機材の設置をする。
- 設置から1週間程度経過した後、魚を購入する。
- 水合わせをしながら魚を水槽に入れる。
注意してほしいところは、魚(生き物)を入れる前に、機材を設置し1週間程度動かす必要がある点です。
水質を魚に適したものに変えるため、また機材に異常がないか確認するための時間です。
購入するもの
水槽
材質について
水槽は、様々なタイプの水槽がありますがまず、材質の違いから説明します。
一般にガラス製とアクリル製があります。それぞれについて比較していきましょう。
-
傷つきやすさ
ガラスは、アクリルに比べて傷がつきにくいです。
ガラスのモース硬度は、5。
アクリルに対するモース硬度のデータを見つけることができませんでしたが、そもそもひっかき傷に弱いのは明白です。アクリルの場合、一度傷がついた場合はアクリル用の研磨剤を使って磨くことで解消できます。
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重さ
同じ厚さ、同じ大きさの水槽であれば、アクリルのほうが軽く仕上がります。
アクリルはガラスより比重が軽いのです。ですので、置く場所の荷重を考えたときアクリルのほうが有利となります。
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透明度
わずかな差になりますが、アクリルが優れています。
ガラスは重ねるたびに少しずつ緑色みが見えていきます。
アクリルでは、このような影響が少ないのです。透明度の数値は、
ガラスは、92%、
アクリルは、93%
となります。
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割れやすさ
アクリルは、耐久性に優れ、適度な耐久性があることや破損時に一気にヒビが進行することもなく、粉々に壊れてしまうこともありません。
しかしご存じのとおり、ガラスは、応力やわずかなヒビによって割れてしまう場合があります。最近の水族館は、アクリルの耐久性や透明度、そして加工のしやすさに注目し導入が進んでいます。
-
価格
ガラスのほうが、安価なものが多いです。アクリルは、市場価格を調査すると5倍程度アクリルが高いようです。
さてここまで見てきますと、アクリルが傷がつくという点以外でガラスより有利です。
しかしアクリル水槽は、価格が高くアクアリウムを始めようとする方には、ハードルになるかと思います。
大きさ
大きさについて説明します。
様々な大きさがありますが、設置される場所や飼いたい魚、生き物の数によって選択は変わっていきます。
水槽には、規格サイズのものとそうでないものがあります。
規格サイズは、ガラスやアクリルが建材と同じ規格で作られていて、水槽を効率よく作成するために設定されています。
小型水槽
30cm未満の水槽が分類されます。
水量は、20×20×20cmのもので、6リットル程度となります。
フィルターは外掛けフィルターが一般的で、ヒーターやライトは小さめのものを選択します。
魚は、種類によりけりですが、メダカやネオンテトラのような小型魚の場合は、およそ4~6匹程度飼うことができるでしょう。
場所も重さもそれほどないので、設置場所にかなりの自由が利きます。
机の隅や部屋のデッドスペースに置いたりすることができます。
まさに傍らに置いて楽しむことができるアクアリウムです。
また費用はさほど掛からず、全体で3000円くらいです。
しかし小型水槽用の機器は少なく、水槽とセット販売されていることが多いです。
小型水槽の例です。
小さい水槽はセット売りが多く出回っています。
この例では、フィルタがセットになっています。
ガラス単独で売られているものもあります。
個人的におすすめは、角がRになっているものです。
水槽が綺麗に見えます。
中型水槽
30~40cm程度の大きさのものを呼びます。
水量は、40×26×28cmのもので、26リットル程度になります。
魚は小型魚であれば、25匹程度飼うことができるでしょう。また水の容量が多いこともあり、より大きな個体を買うこともできます。その時は、飼う数を調整してください。
重さは、30kgを超えてきます。
置き場は耐荷重を把握するともに、置く場所の天面がこの重量でも凹んだりしないか注意してください。
専用の台を購入し置くとより安心です。
費用は、全体で5000円くらいからになります。
大型水槽
60cm以上の水槽のものを呼びます。
60cmは、水量に余裕があるため、水質が安定しやすく初心者向けといわれています。
またグッズも豊富にあり、アクアリウムの魅力を存分に楽しむことができます。
水量は、60×30×36cmのもので、55リットル程度になります。
魚は、ネオンテトラのような小型魚であれば50~100程度飼うことができ、存分に群泳を楽しむことができます。
書籍等を確認する限り、200匹のネオンテトラを飼っている例もあります。この場合はフィルタに気を使う必要があります。(この時の例は、底部フィルタ+外部フィルタ直結によるろ過システムで飼育されています。)
費用は、全体で6000円~になります。
実は60cm程度の大きさになりますと機材が充実しているため、
価格がこなれており、規模が大きくできる割に価格が抑えられるという魅力があります。
フィルター(ろ過装置)
フィルタは、アクアリウムの水のごみをろ過するだけではなく、
魚や水草から出る老廃物を分解する微生物の住処となるところです。
よってアクアリウムの中でも重要な機器のため、選択はよく考えていかなければなりません。
フィルタには多くの種類があります。それぞれ得手不得手があります。
一般にろ過材が多く内蔵できるフィルタが能力が高い傾向があります。
では、一緒に見ていきましょう。
外掛けフィルタ
水中に投げ込んだポンプが組み上げる水が水槽の外にかけてあるタンクに入り、
その水がタンク内のろ過材を通り、あふれた水が水槽に戻る形で循環する。
比較的ろ過能力が低く、狭い水槽内のスペースを生かすことができます。
よくこのろ過能力の低さを解消するための改造を施して使用してらっしゃる方が見えます。
水中フィルタ
水作さんのフィルタが有名です。
水中にポンプを沈めフィルタで濾した水を水槽に戻す形で循環します。
上部フィルタや外部フィルタはいうに及びませんが、
ろ過能力はそれほど低くはありません。
優れている点は静穏性です。
水中にあることもあり、かなりの静粛性が期待できます。
上部フィルタ
汲み上げた水が上部に設置されたフィルタ内部を通り、その後水槽に戻ります。
構造上フィルタ内にろ過材を内蔵できる量が多く、ろ過能力は高い部類です。
また上部フィルタ内で酸素を取り込めます。
しかし、水中の二酸化炭素を外気に追いだしてしまうため、
水草を育てたいと考えている人は、外部フィルタにしたほうがよいかもしれません。
外部フィルタ
アクアリウムでのろ過器としては最高性能を期待できるろ過システムです。
水槽から組み上げた水を外部のタンクでろ過し、再び水槽に水を戻します。
タンク内に多くのろ過材を内蔵できることにより高いろ過能力が発揮されます。
大型の水槽で、活躍することが多いろ過器です。
投げ込みフィルタ
フィルタが入った容器にエアレーションをすることで水槽内の水をろ過することができます。
フィルター+エアポンプで構成されているため、
非常にシンプルで、エアレーションと兼ねることができるため、小さな水槽~中型の水槽で活躍します。
比較的ろ過能力は高い部類です。
ただし水槽の景観が悪くなるため、観賞用の水槽で使用は避けられています。
そのシンプルな構成ため、フィルタの補機として活躍でき、
ろ過力が不足している水槽で活躍することもあります。
底面フィルタ
水を底面の砂や砂利から組み上げ、水槽の上部から再び水を戻して、
水槽の水を循環させるタイプの水槽です。
ろ過材として底面の砂を利用します。
底面についたバクテリアにより老廃物がろ過されることから、
高いろ過能力が期待できます。
ただし、底面の砂の掃除には気を遣わなくてはなりません。
投げ込みフィルタに近い効果で水をろ過します。
小規模な機器のため、稚魚がいるような小さな水槽に最適です。
フィルター+エアポンプを組み合わせて使用します。
温度管理用機器
熱帯魚にはヒータは、欠かせません。
熱帯魚が好む適温は、20~27℃であるため、冬場はヒータによる保温が必要です。
ヒータのW(ワット)数は水槽の水量によって決まります。
可能ならば、ヒータが故障したときのことを考え、半分のW数のヒーターを2個設置することも
考えましょう。
そうすることで最悪、片方のヒーターが壊れても温度が下がりきることはありません。その場合、水温が低くなりがちでしょうから、どちらが壊れているか確認して交換しましょう。
オートヒーター
あらかじめ保温される温度が決まっているヒーターです。
ヒータとサーモスタットをそろえるより安く目的の温度が得られるため、人気があります。
一部のオートヒータは保温する温度を可変させることができます。
ヒーターとサーモスタット
ヒーターに温度センサを組み合わせた機器です。オートヒータと同じ効果を得ることができます。
特に温度を設定できるため、自由度があります。
ヒーターとサーモスタットの設置場所には注意が必要です。
ヒーターとセンサが一緒になったオートヒータとは違い、
ヒーターとセンサの設置個所がお互い離れているとセンサが感じる水温には
時間差が生まれてしまい、過剰に加熱してしまったり、低温でも加熱されないといった事態が発生します。
防ぐには、ヒーターとセンサーは水が循環される場所に置くようにしましょう。
また、繁殖を期待するときは、温度を自由に変えられるように
機器をそろえておく必要があります。
温度計
水温が適切に管理できているか確認するために必要です。
そのためには、ヒーターとサーモスタットと同じように、水が循環されているところに
設置する必要があります。
アナログとデジタルに大きな違いはありません。
注目すべきは、精度です。0.5度のものから1,2度のようにアバウトなものがあります。
デジタル計を購入されるのであれば、
24時間以内の最大水温と最低水温を記憶できるものがおすすめです。
というのも夏場や冬場において、上がりすぎたり、下がりすぎたりしないか確認できるからです。
また、変動範囲も確認することができます。
ライト
アクアリウムには、照明も必要です。
これは、魚に昼夜のリズムを作ってあげること、そして水草に光合成をさせるためです。
ライトは、水槽のサイズに合わせて選択します。
蛍光灯を選択するとよいでしょう。
LEDは光合成に必要な波長が出ないタイプもあるため、水草の光合成には光量不足になる場合があります。
注意してください。
砂利
砂利は、pHの調整、水草を植える土台、アンモニアなどを分解するバクテリアが
住むなど役割を多く持っています。
土を焼いて整形したソイルや、硅砂、サンゴの砂などがあります。
それぞれpHに影響し、ソイルは弱酸性側、硅砂は中性、サンゴ砂は弱アルカリ性となります。
また、色はさまざまですが、魚と合わせた色を選択されるとよりアクアリウムが
鮮やかになると思います。
アクセサリ
魚が隠れたり、水槽のアクセントにあるとよいでしょう。
水槽のバックに貼る壁紙ですとか、流木、岩などがあります。
アクアリウムのイメージに合うものを選択するとよいかと思います。
エサ
エサと言っても、人工飼料、生餌、冷凍飼料、乾燥飼料、野菜などがあります。
熱帯魚は野生では、虫や魚、植物などを食べていますが、魚の食性を知った上で購入する必要があります。
また、繁殖期では栄養価の高いエサを与えて繁殖を促すといった場合に生餌や冷凍飼料を使う場合があります。
魚に応じた専用食もありますが、その魚がそのような専用食を必要としているわけではありません。
たとえばグッピーやネオンテトラであれば、フレーク状の万能タイプの人工飼料でも十分飼育できます。
まとめ
ここまで長かったですが、いざ始めるといった場合、かなりの量の選択をしなくてはなりません。
そこでおすすめなのが比較的大きいペットショップに行き、店員さんに予算と飼いたい魚を伝えて商品をピックアップしてもらうことです。
もちろんご自身の好みも伝えて、決めたいところは自分で決めて、それ以外は店員さんの意見に沿って決めていくこともできると思います。
いろいろ店員さんに話しをしてみて、イメージの共有をしながら決めていってはいかがでしょうか?